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September 21, 2006

ローマ人改め瑠璃子嬢への手紙【枝元なほみ先生とアイの悩みについて】

先日は楽しい時間をありがとうございました。
枝元なほみ先生は5年以上前から自分の中でブーム化していた存在です。
エスニック系に強い、でも決してマニアックにならない地に足のついたレシピが気に入っていたのですが「きょうの料理」の「15分でつくる晩ご飯」という企画で一気にブレイクしました。
「あらかじめオーブンに入れておいたものがここに‥」的な中間生産物を全く使わずに放送リアルタイム15分で晩ご飯3品をつくるガチンコ企画だったのですが、普段よりも巻き気味で喋る他の講師とは対照的にあくまでもマイペースで進行していく枝元先生。
番組が進むにつれてこのペースで15分の尺に収まるのか収まらないのかとはらはらする視聴者に追い打ちをかけるようなあの独特のリズムのしゃべりでどんどん焦燥感がエスカレート。じらしてじらしてじらしまくる新たな料理番組の領域を切り拓いたのです。

枝元先生と詩人の伊藤比呂美先生の共著で「なにたべた?」という本が出版されています。この本をあなたに貸してあげたくて家の本棚を探してみたのですが引っ越しの時に紛失してしまったようです。
出版元でも在庫切れとのことでとても残念です。この本があなたのアイの悩みにフィットしそうな気がしたので。
この本は、お二人の間で交換日記のように交わされたFAXの内容をつづっていく形式で構成されています
二人の間で交わされる書簡の上では、子育てもバジルベースのペストソースも仕事の締め切りも離婚もマッシュポテトも複数の男関係も全てが同一の土俵の上で語られていきます。
惚れたはれただけやって生きていければいいけれど。そういうわけにもいかない人間の生活は「食べて、仕事して、また食べて」の泥臭くたくましい繰り返しの上で成り立つのですね。人間の生活の泥臭い部分とそでない部分を全て同一平面で扱える地平線にこの人たちは到達しているのだと思います。
そう考えると私たちはまだまだ河原のエロ本を拾って大騒ぎする中学生のレベルかもしれません。
枝元先生のポジションを踏まえてあのしゃべりを聞くとそのギャップでインパクトが数倍増大して楽しいですよ。
そうそう、枝元先生のしゃべり方はえみこねぃさんに似ています。子供のぜんそくとか男を追ってカナダ出奔とかいろんな修羅を乗り越えて彼女もホライズンに立っちゃったのでしょう。
たぶんあのしゃべりは意識的にコントロールしているものではなく構造的にエロスが放射能漏れしている様に思われます。例えるなら半分寝ながら渋谷を歩いていてナンパされる某甘夏嬢の漏れがもっとひどくなったというか、一次冷却水の管が外れて原発の辺り一面四つ葉のクローバーとジャンボマッシュルームだらけというか。
こういう無意識の発露を咎めるのはキリンに向かって「おまえの首が長いせいで上から見下ろされて不愉快だ」といちゃもんをつける様なものですね。キリンの長くて美しい首を褒め称える方がずっとよろしい。

それはさておいて、何が言いたいかというとエロやセックスは人生において箸休めにはなっても主食にはなり得ない程度のものなんだから、やりたくないなら無理してやらなくてもいいって話です。
愛とかコミュニケーションとかいろいろ意味づけすることはできるけれど結局は「入れて出して入れて出してハイハイハイ」というスポーツだからこういう状態になってやりたくなったら初めてやればいい。
ただ、言葉でもセックスでも自分一人がコミュニケーションしているつもりで実は相手には全くその認識がなかったという独りよがりの状況もあるわけです。アイとセックスは近いところにあることが多いけど本質的にインディペンデントなものであり必ずしもワンセットではないことはお互い経験済みですね。
じゃぁアイはどこにあるかというと私もまだアイそのものを見つけたことはありません。

異国に旅に出て、夜の静かなプールに一人入ったとき。
昔このプールに一緒に入った同居人のことを思い出しました。今はもう結婚して新しい家庭を築いているであろうその人のことを思い出すと、鼻の奥の塩素の匂いと共に静かな寂しさが押し寄せてきて半呼吸後にその人が今幸せであるように願う気持ちが心臓の辺りから腕のストロークと共に体中にゆっくりわき上がっていきました。
もしかしたらこれがアイなのかも知れません。

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とりあえず、今日一日は落ち込んでいよう、と思った。 今日を落ち込まずしてなんとする、と準備万端、朝から浅川マキを聞いていたわけだが、セントジェームズ病院からハスリン・ダンの流れにはさすがにノックアウトされる。まあねえ、落ち込むなんてアータ、結局のところ自己嫌悪からくる自罰的なものってことで、きわめておめでたい話ではあるのだが。空は曇りだし。薄暗い部屋の中で本を読む。集中力が続かず5分も読んでいられない。「誕生日の子どもたち」「冷血」「ただしいジャズ入門」の三冊を交互に5分ずつ読んでいるうちに、なん... 続きを読む

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